台風14号(ナンマドル)が過ぎた。35年間生きてきて、記憶にある台風の中で、最も強い台風だったんじゃないかと思う。恐ろしかった。雨も風も激しく、地震が起きているわけではないのに、地鳴りのするような感覚がした。
うちは五ヶ瀬川と大瀬川という二つの一級河川に挟まれた川中地区にあるのだけれど、どちらの川も氾濫危険水位に到達し、洪水が起きるのではないかと覚悟した。それは生まれて初めての体験で、恐ろしく、落ち着かないものだった。
洪水ハザードマップを確認すると、想定最大規模の洪水が起きた場合、うちの建物は1階まで浸水することになっている。私たちは2階に住んでいるから、これによれば大丈夫のようだ。
それを確認して、いざというときに持ち出す貴重品を枕元に置いて、寝た。目を覚ましたら、きっと洪水が起きているんじゃないかと思いながら。
目を覚ますと、雨も風も静まっていた。どうやら、川は決壊することなく持ちこたえたらしい。ほどなく氾濫警戒情報も解除された。
まだ気圧が低いのか、頭がぼーっとする。SNSに上がる浸水被害の報告や、一次産業への影響の悲惨さを見て暗澹たる気持ちになる。物理的な被害も目を当てられない有様だし、みんなの気持ちや生活にそれがどう影響するかと考えると、胸が痛い。
書いて心を落ち着けることができることをありがたく思う。