なんにせよ、物事を「スイスイ進められない」時期というのはあるのだけれど、「なかなか進まない」ということの背景や実態はさまざまだ。
①一見停滞気味だけど、次の追い風に向けた凪の期間と捉えて、試行錯誤の手は止めず、やれることを愚直にやり続ける、という状況
②自分にコントロールできない外部要因としての雨・風・嵐が来ていて、とにかく振り落とされないように、沈まないようにと、自分たちの身を守ることに技術とエネルギーを尽くしながら、いつか来る晴れ間を信じて耐えている、という状況
③もう船底に穴は空いていて、無駄な抵抗と感じつつ、少しでも船やみんなの命を引き延ばすために、必死で水をかき出しながら、来るかどうかわからない救助船に一縷の望みをかけている、という状況
未来をどれだけ前向きに信じられる状況か、ということと、状況がどの程度アンコントローラブルかによって、ずいぶんとかかってくるストレス、精神的疲労度は違ってくる。
人間がしんどくなるのは、体力的なしんどさだけではなくて、セルフコントロール感が持てないことによる精神的なしんどさも多分にあるので、そういう場面でのお互いのケアやサポートをどれだけ出来るのかというのが、組織のレジリエンスとして重要なのだろうな。
もちろん上記は単なるメタファーだし、実態としての状況と自分たちの認識にギャップがあることだって少なくないので、詰んだと思ってもまだまだやれることが残っていたりもするんだけど。
もっと言うと、同じ困難な状況下でも高い精神性を保つことが出来るかは、(それまでの生育歴込みで)やはり個人の差というのは出てくるわけで、それはフランクルの『夜と霧』で教わったことでもあるなぁ。
そもそもそんな状況にしないために平時から手は尽くすのだけれど。