「眠ることについて」リレーエッセイ
「眠ることについて」というお題だけを共有して、複数人の書き手がそれぞれに綴ります。
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「大丈夫?ちゃんと寝れてる?」「いやそれが、いつでもどこでも寝られるんですよ、僕」
「眠ったことのある場所」を思い出すことは、私にとって他の場所を思い出すことよりも特別である。幼少期のいつ頃からか、人工呼吸器を付けなければ安全に眠れなくなった。
「さよならを言うことは少しの間死ぬことだ」とはレイモンド・チャンドラーの小説の探偵フィリップ・マーロウの言葉だったか。そんな気もするし、そうでもない気もする。もしそうだとしたら、眠るということも少しの間死ぬことなのかも知れない。そんな気も……、いやそんな気はしない。
私はずっと昔から、眠りに悩まされてきた。そしてそれは今もそうである。過眠状態と不眠状態を行ったり来たりしながら、どうにか日常生活を送っている。これを書いているのは午前4時で、昨日眠りに入ったのは0時頃だったから、実質3~4時間しか眠っていない。
それで、睡眠はどうですか? 寝付きは。 いいです。いつも布団に入るとすぐ眠ってしまいます。 そうですか、それはとてもいいことです。