自分を大切にする―2022年6月24日の日記

 洗い流さないトリートメントを使い始めた。日焼け止め成分も入っている商品で、ずいぶん前に買っていたのにいつの間にか使わなくなっていた。昨日美容室で同じものを見かけて思い出したのだ。お風呂上がりに濡れた髪をタオルドライした後、少量手に取り、毛先を中心に髪全体になじませてからドライヤーをする。美容室に行くと、こうして自分を大切にすることを思い出す。しばらく経てば、つけるのを忘れたり、ドライヤーを面倒がったりするのだろうけれど、美容室に行くたびにきっとまた思い出すのだ。

 自分を大切にするということは、日々の生活のなかのこうしたささやかなことだ。たとえば歯磨き粉を買うときにいつもよりちょっといいものを選ぶとか。たった数十円の違いだけれど、なんとなく気分がいい。

 一方で、時間をかけて少しずつ方向転換したり、方向性を形づくっていくことが、自分を大切にすることにつながることもある。たとえば働き方だとか。友人から「もえさん、収入はどうしているの?」と尋ねられた。思わず笑ったが、ひとり親の手当など福祉制度を使いつつも、もちろん働いている。ただ時間に融通が利くので、割と自由にしているように見えたのだろう。そしてそれはあながち間違いではない。私にも、会社員としてフルタイムで勤務していた時期があった。それしか選択肢がないと思っていた。がんばればできないことはなかったけれど、それは私にとってものすごくがんばらないとできないことだったし、持続可能なことではなかった。だから、本を読んで考えた。人と話して行動した。そのなかで、その時々のご縁があったりして、少しずつ働き方が変わってきた。これからも変化し続けていくのだろう。どんな変化があっても、自分を大切にすることを軸に据えて生きたい。

 「きょうはこどもしょくどうじゃないと?」と息子が尋ねる。「今日が金曜日だって分かるんだな、小学生になったんだな」、「こども食堂を楽しみにしているんだな」と私はうれしかった。毎週金曜日、私たちはこども食堂へ出かけて夕食を取る。だけれど、今日は第4金曜日だからこども食堂はお休みだった。いつも息子の成長を気にかけてくれる人たちの存在を思う。私たちはたくさんの人に支えられて生きている。時々そのことを忘れそうになるときもあるけれど、やっぱりそこに立ち還って自分を大切にして生きたい。