私とツマはいわゆる社内婚で、同い年なのだが入社年次がツマの方が2年早い。昨日はツマの代の新卒同期(12年入社)が久しぶりに集まって1日合宿的な集合研修をするということで、私は託児スタッフとして同行した。
川崎駅近くにある「創荘-SOSO-」という、築54年のビルをリノベしたコワーキングスペースで、なかなか小洒落た良い空間。大部屋でツマの同期と会社のHR(人材開発)の人たちが過ごし、私は隣の小部屋でムスメ(ちょうど4ヶ月)をあやしながらデスクワーク(娘と一緒に昼寝してしまってあまりはかどらなかったけど)、ワークの合間やランチタイムにちょくちょく顔を出しつつも、なるべくツマにはワークに集中してもらえるように、ミルク・おむつ・おもちゃ持参で参加。
会場への道中は、エルゴの中ですやすや眠っていたムスメだったが、到着後はさすがに情報過多で緊張したのか(人いっぱいいるしね)、小部屋で2人過ごしている間も、あんまり昼寝をしなかった。家に帰ったあとは早々に寝付いたけれど、まぁとにかく一日よくがんばってくれた。
ツマの同期に、この研修中の託児稼働を頼まれたとき、1にも2にもなくYESと返事した。産休に入る前にツマに言われた言葉が念頭にあったからだ。
コミュニケーションの相手が限られること、家事育児以外のトピックが日常に占めるシェアが小さくなること、これは本当に大きな変化で、いくら夫などパートナーの側が家事育児をがんばったとしても、片方が育休を取り、もう片方が働き続けるという家庭運営モデルを取る限りは、2人の生活環境には大きなギャップが生まれる。
ムスメという新しいメンバーを家庭に迎えるということを、どう考えて、どうやって暮らしていくか、産前産後、折に触れてツマとは話をしているが、色々話したなかでも上記の言葉が私にとってはもっとも強く印象に残っていて、仕事を続けたり一緒に家庭運営をしたりする中で、一番気にしているポイントだと思う。
その意味で、今回の研修に際してツマの同期が、育休中のメンバーも含めて一緒に過ごせる機会をつくろうと考えてくれ、私に託児の相談をしてきてくれたことに感謝している(オットが勝手に思っているだけなのだけど)。
出産前後のドタバタからするとだいぶ落ち着き、最近ではツマや私の友人・同僚がちょくちょくわが家に遊びに来てくれる。「コミュニケーションの相手が増える」という点ではそれでもありがたいのだが、やはり、「家の外に出ていき」、会社で同じ時間を過ごしてきた「同期とキャリアの話をする」というのは、やはり質的に異なる時間だと思う。
うちもそうだが、育休をとったスタッフに対しては、職場復帰する前に配属先や働き方について相談する人事面談やなんかが設定されるのが通常だとは思う。
ただ、1年以上のまとまった期間を休んだあとに、「さぁ復帰後のキャリアはどうしましょうか?」と復帰直前の1回や2回の面談で考えるというのは、けっこう難しいという人もいるんではなかろうか。
昨日の研修に参加したツマは、「久しぶりに頭使って、楽しいかどうかっていうより、まず酸欠w」と言っていたけれど、やはり子どもと向き合っているときと仕事をしているときではだいぶ頭の使い方も変わってくるだろうし、頻繁にではなくとも、今回のように、働く上での価値観や経験を共有しやすいメンバーと一緒に語らう機会を、刻み刻み入れていけると良いかもしれない。
子どもを産んで、育休を取ることを「選ぶ」というのは、どうあれ人生の一定期間において、仕事から育児へとプライオリティをググッと寄せるということになる。
その期間をどうやって過ごしたいか、過ごすかは、人によって違うだろうし、上記はツマとムスメのそばにいる他者たる私が勝手に思ったことに過ぎない。育休中は極力仕事のことを忘れて過ごしたいという人もいれば、あまりに機会や情報がないと不安という人もいるだろう。
だけど少なくとも、育休中スタッフの「子育て」と「仕事」の断絶があまりに大きくなりすぎないように、本人が望んだときには「選べる」ぐらいの距離には、会社や職場との接点、なんらかのキャッチアップや思考の機会を設けられると良いように思う。