2月の半ばに腰を痛めて、それを言い訳にしていたら、ラディッシュやジャガイモの植え時を逃してしまい、このままだと夏野菜も植えそびれてしまいそうだ。2カ月前には瀕死状態といっても差支えないほど調子の悪かったわたしも、草木が萌えいづるのと時を同じくして回復していき、畑こそ放っているものの、この2カ月間さまざまなことがあった。
「土に呼ばれて」を最初にお取り扱いくださった延岡の素敵な絵本屋さん「ノックブック」の佐々木ゆかさんが、同じく延岡の素敵な雑貨屋さん兼イベントスペース「ソポ」の藤本えりさんをご紹介くださり、ご挨拶に伺ったところ、ソポさんで土に呼ばれての朗読会をすることになった。
初めての試みでまずだれか来てくれる人はいるものかと不安に思いながらも、だれも来なかったときはソポを運営するお二人と3人で楽しめばいいやと気楽にかまえていたら、定員を超えるお申込みがあり、さすがソポさんだな、と尊敬の念を抱いた。
当日はソポさんにあるテーブルを囲んで座布団に座り、軽く自己紹介をし合ったあと、「4月 仲春を歩く」と「8月 夏の終わり」を朗読した。緊張して、うまく読めなかった気がするし、もっと堂々ともったいぶって読むべきだったのかもしれない。それでも、参加してくれた人は「もっと聴いていたかった」と言ってくれて、心が和んだ。ソポさんには心温かい交流の輪が広がっているのを感じた。
朗読の後は畑の情報交換会をする予定だったのだけれど、わたしがお題を準備していなかったこともあり、雑談に花が咲いた。さまざまな背景をもった方がいらしていて、飲食店を営む人、ヨガの講師、どんぐりを拾って育てている人、畑をはじめようと考えている人など、おもしろい集まりだった。3月末には参加者のお一人と、別の参加者さんのお店でランチをしたりもした。
なんだかこの2カ月気ぜわしくて振り返る余裕もなかったけれど、今こうして振り返ってみて、あの場にきてくれたお一人お一人にまた丁寧にご挨拶のメッセージを送ろうかなという気持ちになっている。中にはあのあと実際に市民農園を契約して畑をはじめる準備をされている方もいらして、もともとそのつもりだったのだろうけれど、あの会が何かのきっかけになれたのならうれしい。
あれからちょうど1カ月が経つ。3月は去る、というけれど、ほんとうにあっという間だった。そういえば、NHKBSの「ヒューマニエンス」で「土 生命の星の小宇宙」を見たりもした。不耕起栽培といって、耕さない農法の紹介もあり、これは以前から気になっていたのだけれど、今年はこれを試してみようか。といってもわたしの場合、ずぼらだからという理由なのだけれども……。
「土に呼ばれて」を置いていただいていた「ノックブック」さん、「エンクロス」、「ギャラリーかわなか」さんでのお取り扱いも終了した。いずれもその場でなければ手にとっていただけなかった方が手にとってくださって、感謝の気持ちでいっぱいである。詳細はまだ書けないが、新たなご縁のきざしもあって、春らんまん、桜の季節を迎えている。