つかの間の弛緩 - 2022/06/13 Mon.

この日は夕方にカットとパーマの予約をしていた。髪が伸びに伸びて、パーマも切れ、とにかく重たくて鬱陶しかったので、ここ1-2週間、今日という日を待ち望んで過ごしていたと言っても過言ではない。家を出て電車に乗っている間、美容師さんからLINEが来て(以前通っていたサロンから少し前に独立して、シェアサロンを使ってフリーで営業されているのだ。だから予約も直接連絡)、ちょっとヤボ用でサロンを離れていて、時間までには戻れると思うけど遅れるかもしれないからちょっとゆっくり来てくださいと言われたので、近くのローソンで少し時間を潰してから向かった。で、話を聞いてみたら、夜に雨が降るかもしれないという予報を見て、布団を干しっぱなしだったから家に帰って取り込んでいたとのことで、すみませんほんとー、いやいやいいですよ常連なんで、家には猫しかいなくて、そりゃあ猫に取り込んでもらうわけにもいきませんもんね、などと話し、ふふふと笑いながら席に着いた。

寝不足だったのでパーマをかけている間うたた寝をした。何度か、あのパーマを当てるぐるんぐるんまわる機械に頭をぶつけてしまったが、気持ちよかった。

カットしてもらいながら、たまたまお互いが最近行った整体の話題になって、その流れで、そう言えば美容師さんとか整体師さんは、自分のケアはどうしてるんだろうという疑問が浮かび聞いてみたら、同僚なり友人なりの同業者と髪の切り合いとか整体のし合いをしてるんだと答えが返ってきて、なんだかそれは羨ましいなと思った。きっと信頼関係のもと、お互い学び合ったり教え合ったり、普段と違って施術される側になって束の間リラックスしたり、しているんだろう。飲食店のまかない飯みたいなもんかな。技術を持った人たちが、いつもより弛緩して過ごすことができる時間。物書き同士が、お互いの文章を見せあって感想を言い合ったり批評し合ったりということも、なくはないけれど、直接身体に触れるわけではないからな(場合によっては身体を触られる以上の恥部を見せ合っているようなこともあるのだが)。

髪を流してもらって、シャンプー台から身体を起き上がらせるときに、さり気なく頭を支えて首のところを軽くマッサージしてくれて、それがとても気持ちよかった。年に何回か、ちょっと贅沢をしてヘッドスパを予約に加えることもあるのだけど、こういう、通常のカットのみであっても、合間合間にしてもらえるさり気ないケアが嬉しい。

メシ・フロ・フトンがすべての基本だ。頭がごちゃごちゃしてるときこそこれを怠ってはならぬな。

生きてりゃそれぞれに色々あるが、生きてさえいれば状況は動くし、なんとかならないこともあるが何もかもなんとかならないわけではなく、とにかく時間をかければ少しずつマシになっていく部分は誰でもどんなときも必ずあるわけで、そういう意味で、僕は楽観的であるというか、自分のことも、友人たちのことも、基本、「心配」してないんだよな。足りない、欠けているってことはないよ、大丈夫。