朝起きて、夫に近所の小川珈琲にモーニングを食べに行かないかと提案する。スクランブルエッグの載ったプレートが美味しそうで、前々からずっと気になっていたのだ。夫は「眠いよ」と言いながらも食べログのメニュー表を見て「これ美味しそうだねえ」と乗り気である。
起床してすぐに行くのかと思いきや、夫が突然「今日はシーツを全部洗ってしまおう」と言い出し、毛布も含めてシーツ類を全て洗う。ついでに溜まった家事を片付けちゃおうと、二人で掃除・ゴミ出しをする。
一息ついてすぐに小川珈琲まで徒歩で向かう。途中紫陽花が道端に咲いているのを「綺麗だね」と言って夫がスマホでパシャパシャ撮っている。その姿を撮りたいなあとぼんやり思いながら、「ねえ見てこれ綺麗じゃない?」と差し出されたスマホの画面は太陽光が反射していてよく見えない。まあいいか、と思いながら歩いて小川珈琲に着く。
モーニングが終わる5分前に到着した店内はガラガラに空いていて、空調もちょうどよい。私はスクランブルエッグのプレート、夫はウインナーのプレートを頼む。二人で微笑みあって「ワクワクするね」と言いながら待っていると、すぐにプレートがやってくる。さすが、モーニングは準備が早い。スクランブルエッグにベーコン2枚、トーストとサラダが載った皿の一つ一つがやたらと美味い。「このハチミツつけて食べると美味しいよ」と言われたトーストに口を運ぶと、ハチミツの甘さとトーストに染みたバターが口の中で混ざり合ってとても美味しい。
店を出てコンビニに寄って帰り、私と夫はそれぞれの部屋で自分のしたいことをする。夫は転職活動に向けて職務経歴書の修正をしていたようだ。私は久しぶりに連絡が取れたWebデザイナーの友人と長話をする。
夕食をとった後、職務経歴書の手直しがまだ必要とのことだったので、約束の時間を決めてその時間にリビングに集合ね、と言って私は自室に戻る。ノンアルビール片手に、友人とどうでもいい話で盛り上がって一人でくすくす笑いながらLINEのやり取りをする。
時間になって、夫と昨日から約束をしていた映画を観ようとなる。是枝裕和監督の『そして父になる』という映画で、私はこの作品をもう十数回観ているが、飽きることがない。奇しくも今日は父の日だったので、なんとなくそのことに思いを馳せながら、二人ではおそらく二度目か三度目のそれを観る。ネタバレはしないが、自分が母になったら、あるいは夫が父になったらどうなるだろう、どんな感情になるだろうという点にばかり感情が揺れ動く。二人でベッドに入り、映画の感想をぽつりぽつりと話し、お祈りをして十字を切って夫は眠っている。そして私はベッドから抜け出て、これを書いている。明日は忙しいから、早く眠らないといけないなと思う、午前1時半。おやすみなさい。