LITALICO発達ナビ編集長を引き継ぎ、社長室に異動しました。
何をするかというと、ほどほどに決まりつつ、ほどほどに余白もありつつ、という感じなので、ちょっと節目ということで、いま何を考えているのか、これからどうしていきたいのかをつらつらと書いていきたいと思います。
目次
閒-あわい-を掬う
「弱さ」から開かれる可能性(出版プロジェクト)
5年先の社会を見据えて(LITALICOでのプロジェクト)
ことばと組織と文化をつくる(複業でのプロジェクト)
「仕事」になる以前の、芽生えを見逃さないために(個人サポーターの募集)
閒-あわい-を掬う
いつも意識しているのは、ひととひと、ひととものごとのあいだー閒(あわい)に横たわる存在。
まだ見えないけれどなんだか気になる。
誰も答えを持っていないけれど、ここに大事なものがある気がする。
そうした、目に見えない閒に手をのばし、そこにあるものを掬いとるような気持ちで言葉を紡いできました。ときに文章で、ときに話し言葉で。
「そうそう、きっと大事にしていたのはそういうこと」
掬いとった言葉を差し出したときに、そんな言葉、表情をかえしてくれる人たちを見て、ああ自分のことばはこんなふうに役に立てたんだと、嬉しい気持ちになりました。
文章執筆、メディア運営、企画や編集、チームづくり、個人のお悩み相談…
方法やアプローチはさまざまですが、「それ」を見つけることで、ひとが、組織がより善くいきていけるような、そんなことばを紡いでいきたいと思います。
昨年ですが、あいだの知の担い手「インターミディエイター®」としても認定を受けました。
閒-あわい-を掬う これをひとつの自分の専門性として育んでいければと思っています。
以下では、そんな視点で、これから仕事で取り組もうと思っているいくつかのプロジェクトをご紹介したいと思います。
「弱さ」から開かれる可能性(出版プロジェクト)
「弱さ」をテーマにした、一冊の本を編んでいきたいと思います。自分のなかでもようやく、一冊の本として追っていくキーワードが出てきたのと、出版社さんともお話をさせてもらい、11月の出版に向けてがんばっていきたいと思います。
これまで出会った人たちの物語を、インタビューやコラムというかたちで届けてきましたが、その中で感じるのは、障害や病気など、一見「弱さ」とみられるような属性から、大きな可能性が生まれていくということです。
「弱さ」を消そうとしたり押し隠したりするのではなく、ひとがひととしてより良く生きていくうえでのかけがえのない存在ととらえなおしてみる。弱さを携えていきていくことの、希望と可能性を探る旅に出たいと思います。
5年先の社会を見据えて(LITALICOでのプロジェクト)
事業部を離れて社長室という、ある種の余白を持って動ける組織に所属したので、そういった立ち位置だからこそできることを模索しながらやっていこうと思っています。
基本的には「今すぐには事業として取り組むのが難しいけれど、5年後10年後の社会を見据えて必要になること」という観点で、実験的・探求的にプロジェクトを担っていく予定です。
1つやることに決めているのは、比較的重度な障害のある方の就労支援・キャリア開発。
身体特性から週20h働けなかったり、自宅からオフィスに通勤できなかったりという方は、企業の障害者雇用の競争市場ではとても不利になります。
また、自由に外出したり会話したりすることが難しいことで、他者との関わりや社会活動に参加する機会が少なくなってしまい、働いていくために必要なスキルや経験を積みずらいという傾向もあります。
まさに社会の側の障害と言うべき複合的なバリアーに取り囲まれている人たち。そんな人たちが自分の力でお金を稼いで食っていき、自分らしく働き、暮らしていくためには、通所型の就労支援とはまた違ったアプローチが必要になるように感じています。
どんな境遇や特性のある方でも、自分らしく働いて暮らしていくことができる社会に向けて、技術的・社会的障壁をどう突破していくか。
ご縁をいただいた何名かの方々に伴走しながら、その答えを一緒に探していきたいと思います。
また、事業部の活動とは違う文脈で、LITALICOとともに障害のない社会に向かう仲間を増やしていくためのイベントや出版プロジェクトもいくつか企画していく予定です。こちらは近日、お知らせできると思います。
発達ナビ編集長時代に引き続き、取材や外部イベント登壇など、お話する機会があれば喜んでお受けしますので、いつでもご相談ください。
ことばと組織と文化をつくる(複業でのプロジェクト)
複業でも引き続き色々な団体、プロジェクトにかかわらせてもらっていますが、社内外問わず、僕は「ことば」を通して、みんなが感じていることを共有したり、それを通して組織や文化づくりに貢献していくような動きがいいんだろうなぁと感じています。流しの翻訳者的な?笑
領域的にシナジーのあるところばかりなので、ふらふらしながら糸を紡いでいければなと。
それから、ご縁をいただいて新たにいくつかの団体にも関わることに。
インタビューがご縁で出会った武藤将胤さん
彼と彼の仲間が運営する「WITH ALS」の活動に、僕も参加させてもらうことになりました。
ボーダーレスな社会に向けてさまざまな企画・プロジェクトを実施している素敵な団体です。その目指しているビジョンや生み出している価値を、ことばにしたり、かたちにしたり…そのプロセスにかかわっていければと思います。