先生は大きな画台と二枚の画用紙、鉛筆、カッターナイフを持って私を席に促す。まずは鉛筆を削るところから始めるんですよ、と先生は言う。カッターナイフを使って先生の手で削られていく鉛筆を見つめる。
Read more鞄を新調する
鞄を新調した。今の鞄が古くなっていたのもあるが、主な理由は自分の作ったZINEを持ち歩きたいと思ったからだ。
Read more銭湯の中の物語
近所のスーパー銭湯に行く。脱衣所で服を脱ぎ、丸裸になって銭湯の中に入る。
Read more発作と共に生きる
私は発作と共に生きている。外を出て道端を歩いていると、急に気分が悪くなり、酷くえずく。
Read more朽ちていく私たち
自分の病には何とか折り合いをつけていっているはずなのに、いつだって身近な他者の病とそれに紐づく影のような「死」というものが、私には怖い。
Read moreわたしの訪看さん
「はい、じゃあまず熱を測ってくださいね」
そう言って看護師さんは私に体温計を差し出す。体温を測り、心拍を測り、血圧を測り、一式のルーティンが終わると、女性の看護師さんとのおしゃべりが始まる。
Read more彼女のアイプチ
お盆の割に人がまばらなショッピングモールで、まぶたを二重に細工するあれこれを見かけて、アイプチをしていた「彼女」のことをふと思い出した。
Read more心身共に「健やか」であるために
「心身共に長期的に安定していて、自分のやっていること・やりたいことに意欲を持って取り組めている状態、ですかね。」
閒の友人に「さとみんにとっての健やかさとは?」と問いかけられて咄嗟に出た言葉は、こうだった。
Read more書くことは個人的な営みか
ライターの下積みとして、先輩ライターの文字起こしを行う慣習がある。私も過去に、先輩ライターの文字起こしや構成を仕事として請け負っていた。あるときは原稿ドラフト(下書き)まで担ったこともある。初めて原稿ドラフトを依頼された時は、「そこまで外注するのか」と驚いた。
Read more相手からの言葉を急がないということ
自分の考えを必死に連ねた長文のLINEを知人に一通送って、既読がついても返ってこなくて、もう一通追いLINEをしてしまう自分がいる。自分が送った文言が意図した形で届いているかという不安から追いLINEをしてしまうのだが、それによって「相手の会話のペースを崩してしまったかもしれない、なんなら私の言葉で相手の人生の一部を毀損してしまったかもしれない」と自己嫌悪に陥ることがある。
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